「郵便とメールとによる熟議学会」
開催の趣旨説明


 新型コロナウイルスの感染は依然として終息の見通しが立たず、様々な社会的な制限も続いております。今年末に予定されておりました日本ショーペンハウアー協会第33回全国大会は、通常のように会場を設定する学会の形式をとらず、「郵便とメールとによる熟議学会」として開催することになりました。

 デジタル化の流れの中で、対面形式の催し物をビデオ会議で代替するのが趨勢となっているようです。しかし、情報をスピーディーに交換するビジネスなどの場面とは異なり、参加者の互いの発言をしっかりと受け止め吟味するための熟慮期間を確保し、議論の深まりを可能にすることこそ、思想系学会の目標と考えることもできるでしょう。

 例年の対面形式の学会開催が不可能になった状況を否定的に捉えず、むしろ上記の目標を実現する新たなチャンスへと逆転するために、「郵便とメールとによる熟議学会」という独自の試みに挑戦することとなりました。

 日本ショーペンハウアー協会はその設立趣意書にも謳われているように、開かれた学会として、専門分野を問わず、また、会員を狭い意味での研究者のみに限定しない学術団体であり、実際に様々な領域、また幅広い年齢層の知識人の皆様の参加をいただいて多様な活動を続けております。加えて今回の全国大会のプログラムには次期役員改選を含む会員総会も予定されているので、すべての会員が参加して議決権を行使できる開催方法としても「郵便とメールとによる熟議学会」はふさわしいと考えます。更に、最近広く用いられているビデオ会議システムは、サービス提供企業によって収集される利用者の個人情報が、商用その他の目的で予期せぬ範囲に供与拡散される危険(プライバシーの侵害)も指摘されており、そのようなリスクを回避する観点からも適切な対応であると判断いたしました。

 なおメールによる全国大会参加に際しては、本協会独自のメールシステム(schopenhauer.org)によるメーリングリスト(ML)を用います。参加者の個人情報を適切に管理し、第三者に提供することは決してありません。

 「郵便とメールとによる熟議学会」は、12月19日(土)に開会し、1月12日(火)に終了の予定です。会員の皆様には、郵便参加とメール参加とのどちらか一つを選択していただきます。ご都合に合わせて発表内容や議論内容を吟味し、ご質問ご意見を発表することができます。メール参加のほうが、やりとりが迅速な分だけ多くのメリットがありますが、郵便参加においても、会員総会における議決権の行使はもとより、研究発表やシンポジウムにおける質疑応答などにも参加できるように計画しております。全国大会の参加方法およびスケジュールの詳細は「プログラム」および「参加方法の説明書」をご参照ください。

※なお、日本ショーペンハウアー協会会員でない方はメール参加をお願いいたします。また、会員総会における議決権はありません。




第33回全国大会メインサイト