「郵便・メール・オンラインによる全国大会」開催の趣旨説明
日本ショーペンハウアー協会会長 鎌田 康男

 新型コロナウイルスの感染は11月現在小康状態を保っているものの、年末年始にかけて感染拡大第6波の到来が予想されています。2021年度第34回全国大会は、2021年12月18日(土)に兵庫県西宮市の関西学院大学で開催の予定でしたが、今年度も昨年度に続き対面開催を見送ることとなりました。代わりに「郵便・メール・オンラインによる全国大会」を12月18日(土)〜12月25日(土)まで行います。
 研究発表は昨年と同様、郵便とメールとによる熟議学会としますが、4人の提題者が登壇し議論するシンポジウムに関しては、オンライン開催の方がシンポジウムのよさを活かせるとの強い希望があったことから、Zoomを用いたオンライン会議形式で開催することになりました。
 郵便参加においては郵便の配達時間によるタイムラグを少しでも軽減するために、協会としてさまざまな選択肢を用意いたしました。郵便参加を予定されている会員の皆様は、「2. 郵便参加の手引き」の「郵便参加方法早わかり図」をご覧の上、ご都合のよい方法を選択いただいて積極的にご参加ください。
 メールによる全国大会参加については、オープンソースソフトウェア【注1】fmlによる本協会独自のメーリングリスト(ML)を用います。参加者の個人情報としては、メールアドレスのみを登録します。メールアドレスを第三者に提供することは決してありません。また氏名などそれ以外の個人情報は、メールサーバに登録されません。

 商用のオンライン会議システムに関しては、しばしば情報漏洩の疑惑が持たれ、国際的には現在でも使用禁止の措置をとっている機関や企業が多く存在します。個人情報保護に積極的に取り組むドイツなどでは、大学、公官庁、多くの企業のオンライン会議を、独自に開発した透明性の高いオープンソースソフトウェアによって行い、個人情報も運営者が責任を持って管理する体制を構築しております。これに対して日本においては最近、デジタル庁の設置や経済安全保障担当大臣の任命などの動きが見られたものの、現時点では、個人情報保護などの危機管理、およびそれを支える国民の倫理的意識の形成が大幅に立ち後れており、その後進性が現代日本の、環境、自然災害、原子力、学問などさまざまな分野で起こる問題と有機的に結びあっています。
 今回のZoomによるオンライン会議参加にあたっては、そうしたリスクをご承知の上でご参加くださいますよう、お願いいたします。
 オンライン・シンポジウムの動画は、YouTubeおよび本協会ウェブサイト(ホームページ)から閲覧可能になります。本協会ウェブサイトから動画を閲覧なさる場合は、個人情報を収集することはありませんので【注2】、商用サービスによる個人情報収集に懸念をもたれる方は、本協会のウェブサイトから閲覧ください。URL(ホームページアドレス)は、参加申込後にお知らせいたします。

 日本ショーペンハウアー協会は開かれた学会として、専門分野を問わず、また、会員を狭い意味での研究者のみに限定しない学術団体であり、実際にさまざまな領域、また幅広い年齢層の知識人の皆様の参加をいただいて多様な活動を続けております。今回の全国大会においても、会員の皆様の多様性に応えた、多様な参加方法を可能にする企画となるように努めました。大会中には会員総会も予定されております。郵便またはメールにより、すべての会員が議決権を行使できるようにいたしました。
 来年度こそ、対面形式の全国大会が行われることを祈りつつ、今年度の「郵便・メール・オンラインによる全国大会」を、参加者全員で盛り上げていきたいと思います。

【注1】「オープンソースソフトウェア(英: Open Source Software、略称: OSS)とは、利用者の目的を問わずソースコードを使用、調査、再利用、修正、拡張、再配布が可能なソフトウェアの総称である。」(ウィキペディア、https://ja.wikipedia.org/wiki/オープンソースソフトウェア、2021年11月5日確認)
【注2】インターネットの仕様により、閲覧者のIPアドレスは記録されますが、法にもとづく要請による場合などを除き、本協会としてこれを調査することはありません。




第34回全国大会メインサイト